断罪



青い月 迎える水彩の様な夜を切り抜いて
纏い 覆い 被って 伏しながら褥に這い沿う
糸を求めては千切り捨て 鳴き声は遠吠えになる
想い こみあげて 押し込んで 錠を強請る


奪って 従わせて 呼吸も許さぬ程に
拒む脚を砕いてもいいの 小汚い愛を囁いて
その体が 堕ちる頃に すべてを失えるのなら
どんなに安い心さえも吸い上げるわ



分かってたよ 知らなかったくせに
報復と 執着 未曽有の体感
引き際も知ってたし 終止符も知ってた
それを選ばなかったのは 明らかな断罪だった


同じ群れの中 右を向くのは 私には上手くできなかった
嘘をついては 上塗り 狭まる 気管支
シャドウに グロスに 艶めくネイルに 蝶のタトゥー
応えてくれるのは ネオン街のベッドだけ


それでもこの肩を抱き寄せて 温もりを感じさせてくれるのなら
不正も不純も飲み込んでしまえた 錠を解いた


埋めて 塗り潰して 目を開く事の無いように
何も守れない舌など 絡めとって 噛みちぎって


奪って 繋げて 糸をひく偽善で撫ぜて
変えられない道に跨って 帰れられない姿になるまで


壊してよもっと
ねぇ もっと強く壊して
断頭台を下ろしてよ