灰色のキス


失態の尻拭い手を抜いて 他人行儀に経を唱える

罰当たりなくらい囀る九官鳥には その轡がとってもお似合いね

 

ビビッドに幕開けるもひとしお 従う手順に君はパーフェクト

人生 薔薇色 水色 擦り切れんばかりに

 

割って入ってどうも偉そうに万遍なく語り草

中級者の心得じゃ利益率はここぞって時にゃ使えやしない

聞き耳立てて慌ててんだ

負けじと突っぱねれば1の亀裂は100万倍速でUターン

底なんていくらでもあって 有限の砦の中

僕らの唄うぬるま湯のテーゼなんて 何も糺せやしないんだよ


 

男は暴力を勝ち取って 女は心を失っていく

赤ん坊は印籠を掲げ 年寄りになって一際振り翳す

なんだか座り心地の悪い世界へ生み落とされたようだ

この経緯に至るまでに気付けなかった あんたはどうして

 

こんなくすんだ世界のどこで何をどうやって

シアワセだと 言えるようなものを掴んでいけなんて 勝手なことを言うもんだ

望みもしない選択をして どこまでも無責任だと ねぇ思わない?

根性無しの弱音を吐く僕を指差すけど

そもそもこの感情を与えたシステムは正義だったのか

 

扉の奥で煮え滾って 薄らぐ蒸気

またひどい夢を見て 泣いてなんかないけどさ

 

自分の足で歩くのは大変だな

君は僕の腕を掴んで泣いている

 

また壊しちゃった・・・?

もう戻せないや・・・

拭っても拭っても溢れ出る涙

だから 僕は君に キスをした